燃焼振動と音響学的不安定性

背景&目的

 火炎不安定性は、様々な産業用燃焼関係設備において極めて重要である。特に、燃焼と音響振動の相互作用により引き起こされる不安定現象は、燃焼器に重大な障害を引き起こす可能性がある。この不安定性は、ガスタービンやロケットエンジンなどで頻繁に生じる。このような音響学的不安定性は様々な方法で研究されて来た。その中の一つが管内を伝播する火炎を用いた方法である。 

 我々は管内伝播火炎を用い、音響学的不安定性に関する研究を行っている。火炎と圧力変動の相互作用があらわれる機構について検討し、この不安定性を支配する種々のパラメータの影響を明らかにしようとしている。

setup

Fig. 1 Schematic drawing of experimental apparatus

 

 

研究

 我々は伝播火炎の挙動を制御するため、CO2 レーザを用いる独自の方法を利用している。レーザ照射より火炎面前方の未燃混合気を加熱し局所的に燃焼速度を増加させる。これにより、火炎の先端に任意の変形を与えることができる。この方法を用い、管内下方伝播平面火炎(Fig.2)に独特の火炎形状が現れることを見いだした(Fig.3参照,アイスクリーム火炎と呼ぶ)。さらにこのように変形の生じた火炎は、レーザの照射時間や照射強度により、乱流挙動へ遷移することがわかった(Fig.4)。現在は、下方伝播火炎と合わせて、上方伝播火炎に対しても研究を進めている。

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Fig. 2 Sequential images for propagating flame

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Fig. 3 distinctive flame behaviors of transition with laser irradiation

Fig. 4 The feature of behavior on upward propagating flames

 

 

 

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